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【トークレポート】2013/1/13 渡辺真起子さん×小谷監督

2013年1月21日

2013年1月13日(日)
19:00の回上映後、ゲスト:渡辺真起子さん(俳優) ×小谷忠典監督
本作にもご出演いただいている渡辺真起子さんにお越しいただきトークショーを行いました。イメージフォーラムでの公開初日以来のお二人、たっぷりとお話していただきました。

左から:渡辺真起子さん、小谷監督

 

お二人が最初に会ったのは、監督が前作『LINE』でトリノ国際映画祭に招待されたとき。
渡辺さんは、佐野さんのご子息で絵本作家の広瀬弦さんが同級生ということもあり、佐野さんとは生前親しくされていたそうです。本作の企画書を佐野さんのご自宅でたまたま目にしていという渡辺さん。
監督もそんなこととは全く知らなかったそうですが、この出会いをきっかけに渡辺さんに出演オファーをしたということです。

 

まさに運命的な出会いではあったものの、撮影は困難も多かったということで…
当初は読者のひとりとして登場してもらったものの、実際に佐野洋子さんを知っている人物であり、さらに俳優であることから、監督自身も渡辺さんをどう捉えていくか、作品にしていくか悩んだそうです。
さらに佐野さんの死、東日本大震災が起こったことで製作は行き詰ってしまったということでした。

 

佐野さんは生涯で40回くらい引っ越ししたということで、佐野さんがいた場所、軽井沢や留学していたベルリンなども巡った監督。
「最後に佐野さんの故郷の北京にいこう、と思ったんです。そのときに北京を渡辺さんが歩いている風景が浮かんで…真夜中でしたがすぐ電話したんです。」

「監督からの電話で、まだ探っているんだ、と思いました。自分自身も身近な人の死や震災が起こったことで気持ちが揺らいでいる時期でした。でも、続いてきたものは、人に何を言われようとも引き受けよう、応えよう、と決めた年だったんです。だから詳しいことも聞かずにすぐやろうと伝えました。」と渡辺さん。

 

北京での撮影も大変苦労されたそうですが、ある時、渡辺さんの話を聞いていて北京のラストシーンが浮かんだそうです。
「北京の町を歩いてもらうと、渡辺さんが佐野さんに重なって見えてきました。」と監督

 

渡辺真紀子さんからの鋭い突っ込み小谷監督がたじたじになる場面も。しかしその裏には2年以上の製作期間を経て築かれたお二人の信頼が感じられるお時間でした。ぜひ、シーンを確かめに、劇場にお越しください!
渡辺真起子さん、ご来場のみなさん、ありがとうございました!

 
☆お知らせ☆
舞台「祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~」(2/3まで) http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_inorininagawa.html
映画『チチを撮りに』(2/16公開) http://chichitori.com/
映画『だいじょうぶ3組』(3/23公開) http://daijyobu-3.com/
映画『タリウム少女の毒殺日記』(7月公開) http://gfp-bunny.info/

などなど、渡辺真起子さん出演舞台、出演映画が目白押しです!どうぞお楽しみに!

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【トークレポート】2013/1/12  甲斐みのりさん×小谷監督

2013年1月16日

★2013年1月12日(土)
19:00の回上映後、ゲスト:甲斐みのりさん(エッセイスト) ×小谷忠典監督
パンフレットに「洋子さんの気配」というタイトルでご寄稿いただいているエッセイストの甲斐みのりさんをゲストにお招きしトークを行いました。


左から:甲斐みのりさん、小谷監督

 
甲斐さんはなんとこの日、白い猫の柄のワンピースを着てご登場いただきました!(監督もお客さんもうっとり!)

 

昔から絵本『100万回生きたねこ』も佐野洋子さんも大好きだったという甲斐さん。
「人は愛するために生まれてきた」という佐野さんの言葉。それを佐野さん自身の声で聴けたのが本当に嬉しかった、とお話くださいました。

 

映画には、さまざまな世代の絵本『100万回生きたねこ』の読者の女性たちが映しだされます。「佐野さんは彼女たちの映像を見たんですか?」という甲斐さんからの質問も。
小谷監督は、映像は見せてはいないですが、読者の方たちの話を佐野さんにも伝えていたそうです。「佐野さんは、読者の方たちが抱えている悩みや弱さについてその話をじっと聞いて、一緒にその問題について考えてくれていました」と小谷監督。

 

実は、甲斐さんは絵本を最後に読んだときの記憶が痛みだったそうですが、映画を観てそれが変わったということです。「とらねこではなく、とらねこに愛されなかった側の人たちの気持ちに感情がいってしまい、つらくて絵本を閉じてしまいました。映画を観た後、再び読み返すと痛みではなく、その先のものを感じられました。絵本には描かれていない、とらねこに愛されなかった王様たちの人生、とらねこと出会う前のしろねこの想い、想像力が沸いて、そういったことに想いを巡らせました。痛みだけでないものを映画をきっかけに気づかせてもらいました。」

 

 

絵本と映画を通して、生きること、愛することについて考える素敵な時間となりました。
甲斐さんにご寄稿いただいた「佐野さんの気配」が掲載された映画公式パンフレットは劇場限定販売ですので、ぜひ劇場にお越しください!
甲斐みのりさん、ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました!

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【トークレポート】2013/1/6  諏訪敦さん×小谷監督

2013年1月10日

★2013年1月6日(日)
15:00の回上映後、ゲスト:諏訪敦さん(画家) ×小谷忠典監督
絵画作品集「どうせなにもみえない」など、国内外で注目の画家・諏訪敦さんをゲストにお招きしトークを行いました。

左から:諏訪敦さん、小谷監督

 

芸大で油絵を専攻していた小谷監督。
「諏訪さんの「写実絵画」、対象を忠実に描いていくという方法は、シナリオ通りに作られていくフィクションより、撮影するなかで発見していくドキュメンタリーとつくり方が似ていると思っています」と小谷監督。
「そして現実を忠実に描いていくだけではなく、その中で想像が生まれて、現実と想像を織り交ぜながら、映画をつくっています。そういう部分で諏訪さんの絵画に共感しています。」と監督が語ると、

「なるほど。それで僕は呼ばれたんですね。接点が無いのに突然連絡がきて…」と諏訪さんがおっしゃり、会場では笑いが起こりました!
(実はこの日始めた会ったお二人。本作製作にも刺激を受けていた諏訪さんへ、小谷監督が直談判したことで実現したトークイベントでした!!)

 

「ドキュメンタリー作品にはあまり無い、絵画的な意味でも美しい映像が貫かれていて、とても印象的でした」と諏訪さん。
「写真そっくりに描くことが「写実絵画」ではないんです。視覚的な情報ですが、現実にあったことを尊重するということが、最低限のテーゼです。その点では、ドキュメンタリーにも近い部分があるように感じます。」とお話くださいました。

 

さらに小谷監督が、佐野さんの死が実感出来ず認められなかったと明かすと、諏訪さんの舞踏家・大野一雄さんや、自身の父親の姿を描いた連作についてもお話いただき、「死」を実感すること、それを受け入れるということにもお話が広がりました。お互いの作品から「生と死」について深く洞察するお時間となりました。

 

◆諏訪敦さんのブログでも、ご紹介いただきました。
http://atsushisuwa.cocolog-nifty.com/blog/

この日は、満員・立ち見の方も出る大盛況となりました。ご来場ありがとうございました。
お越しいただいたにも関わらず、ご覧いただけなかった方もいらっしゃり、大変申し訳ございません。この場をお借りして改めてお詫び申し上げます。
また、特別に諏訪敦さんのインタビューが掲載されたフリーペーパー「PARTNER」も配布させていただき、ご協力いただいた関係者のみなさまありがとうございました!

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【トークレポート】2012/12/27  藤岡朝子さん×小谷監督

2012年12月31日

★2012年12月27日(木)
19:00の回上映後、ゲスト:藤岡朝子さん(山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局ディレクター)×小谷忠典監督
 
釜山国際映画祭のAND(Asia Network of Documentary)助成金の選考委員も務める藤岡朝子さん。本作品はその助成金も得て、制作が実現いたしました。「観るたびに印象が変わっていく」と藤岡さん。

映画のラスト、少女がねむる様を捉えたショットを引き合いに、藤岡さんは「絵本「100万回生きたねこ」は仏教的に言えば、生きることの苦しみをぬけて、解脱していくまでを描いたお話」と指摘された上で、「この映画はそれとは違って人間の存在が生まれ変わっていくことへの作品」だと、お話いただきました。
 
それに対して小谷監督は、「やはり映画を作る限りは、佐野さん、絵本を超えて、自分の表現をしたかった。死ぬことから生まれることへ、絵本で言えばもう一度1ページ目をめくるような、生命のうつりかわりを表現したかった」と答えていました。
 
年の瀬、新しい夜明けを前に、映画を通した生命を巡るお話、本当にありがとうございました。

 

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【トークレポート】2012/12/22 砂田麻美さん×小谷監督

2012年12月30日

★2012年12月22日(土)
19:00の回上映後、ゲスト:砂田麻美さん(映画監督) ×小谷忠典監督
2011年公開のドキュメンタリー映画『エンディングノート』を監督された砂田麻美監督をお迎えし、映画について、家族について、たっぷりとお話していただきました。

左から:砂田麻美監督、小谷監督

 

この日対面でしたが、同世代の作り手のお二人のお話はとても刺激的でした。『エンディングノート』はお父様がガンの告知を受けてから亡くなるまでの約半年を娘である砂田監督が映像で追った作品です。家族だからこそ映し出せた姿やユーモアが胸に迫る作品でした。砂田監督も佐野さんの声の魅力についてお話くださいました。佐野さんの姿を映せないという条件で、小谷監督はどのようにして映画をつくっていったのか。
普段は気づかないけれど、カメラのファインダー越しに見ると「この人は映画の主人公になる!」と思うことがある、などなど。映画作家同士ならではのお話をしていただきました。

砂田監督、ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました!
◆「エンディングノート」公式HP http://www.ending-note.com/

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【トークレポート】2012/12/20 唐亜明さん×小谷監督

2012年12月27日

★2012年12月20日(木)
19:00の回上映後、ゲスト:唐亜明さん(編集者) ×小谷忠典監督
佐野洋子さんとは「北京」生まれの同郷ということでも親交を深め、20年以上のお付き合いで、作家と編集者という枠を越え親しかった唐亜明さんにお話しをお伺いしました。



映画を観てくださったご感想を「佐野さんがそのまま目の前にいるような気がして。いつも聞いていた声そのものでした」と唐さん。

 

北京で生まれ約6年間育ち、戦後に帰国してから一度も北京に戻っていなかった佐野さん。1999年に中国で行われたイベントのため、佐野さんが55年ぶりに北京に戻った際、ご一緒されたのが唐さんだったということで当時のエピソードをお話くださいました。
市内にはまだ古い建物が残っており、その町並みを見て、佐野さんは大声で泣きだし、そして幼い頃の思い出を話をしてくれたそうです。
それから、かすかに覚えている住所や記憶を頼りに生家を探したというお二人。生家は壊されてなくなってしまっていたそうですが、佐野さんは「ここが全部私の家だった」とその土地すべてを包むように手を広げたということでした。

 

「日本人は、ストレートに言わない湾曲表現を好むけれど、佐野さんは真っ直ぐに表現する人、日本人離れしていて中国の人に似ている。私と親しくしてくれたのは、お互いハッキリしてとっつきやすかったからかもしれません。」と唐さん。
「中国文学には、オーバーする美学がある。“100万回”という大きな数字も、中国の広い大地やその土地の人々の影響があるのでは無いでしょうか。小さい頃に住んでいた環境、育った大地でその人らしさは形成されると思うから、北京での数年が作家人生に与えた影響は大きかったと思います。本人は気にしていないでしょうけど、それが魅力のひとつにもなっていると思います」とお話くださいました。

 

“100万回”の数字に込められた想いを紐解くような貴重なお話、本当にありがとうございました!



【トークレポート】2012/12/12 刈谷政則さん×小谷監督

2012年12月26日

いよいよ2012年もあとわずか!
シアター・イメージフォーラムでの12月8日の公開から、早や2週間以上が立ちました。劇場には多くの方にご来場いただいております。
また、さまざまなゲストの方をお迎えして、劇場トークイベントも行われております。その模様を少しですがお伝えいたします!
 

★2012年12月12日(水) 

19:00の回上映後、ゲスト:刈谷政則さん(編集者) ×小谷忠典監督

「ふつうがえらい」「覚えていない」「そうはいかない」など数多くの作品で30年間も佐野洋子さんの担当編集者をされていた刈谷政則さんをお迎えいたしました。


左から:小谷監督、刈谷政則さん

 

本作でも佐野洋子さんのご自宅のシーンに、“声”の出演をされていらっしゃいます。
初めて小谷監督が佐野さんのご自宅で撮影をしたときにいらっしゃったのが刈谷さん。
映像や写真が苦手だったという佐野さんから、「姿を映さないで」という条件で始まった映画撮影。佐野さんの手元が映るワンカットは、なんと、刈谷さんが「少しくらい撮らせてあげなよ」と言ってくださったおかげで撮れたそうです!
「そうでしたっけ?」と笑う刈谷さんですが、その一言が無ければあの印象的なシーンが無かったと思うと、不思議な縁を感じます。

 

「佐野洋子の肉声が、こんなに明瞭に聞けるということがすごくうれしかった。彼女の言葉がたくさん聞けて。映画になっていない部分で、たくさんカットしている、僕が知らない部分もたくさんあるんだろうな、と思います。それもあわせていつか本にしましょう!」と刈谷さん。すると会場からも拍手が沸き起こりました!いつかこの映画について、佐野洋子さんについての本が出版されるかもしれません!?

 

そのほか、刈谷さんにしか語れない佐野洋子さんの秘話をたっぷりお話いただきました。
刈谷政則さん、お越しくださったみなさま、ありがとうございました!
 
 
監督だけでなく、ゲストの方とのお話で作品についてより深く想いを馳せることが出来ると思います。
ぜひ、みなさん劇場にお越しください。



12/18枡野浩一さん×小谷忠典監督トークを特別公開!

2012年12月19日

12/18(火)、シアター・イメージフォーラムにて行われた、歌人・枡野浩一さん×小谷忠典監督の上映後トークショー。今回、特別にトークの模様を全公開いたします!

 

映像+音声は、枡野浩一さんご自身がiPhoneで撮影(!)していた特別版。
本作でハッキリとは姿が映されない佐野洋子さんと同じように、ハッキリとした姿が現れないお二人ですが、最後まで見ていただくと……

この日初対面のお二人が、映画について、佐野洋子さんについて、猫について思いを馳せ、そして愛に迫った30分です。映画を観た方も、これから観る方も、ぜひご覧ください。

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―――枡野浩一さんから

枡野浩一が当日とっさの思いつきで、iPhoneを自分の膝の上に置いて、発言の記録のために録画したものです。映像ひどいですし、音声もいまひとつですが、ご容赦くださ­い。(映像を見ていると気が散ると思います。ラジオのようなものとしてどうぞ!)

 

【おわびと訂正】
トークで話題に出した森健(もり・たけし)氏の小説は、『愛と火薬の星』ではなく、『火薬と愛の星』(講談社)でした。おわびし訂正します。
最後に小谷監­督が紹介してくださった枡野浩一の小説は、文字数の少ない絵本のような一冊、
『すれちがうとき聴いた歌』(リトルモア http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=816 )です。

 

★枡野浩一さんツイッター http://twitter.com/#!/toiimasunomo
★枡野浩一さん公式サイト http://masuno.de